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ごめんね、お母さん。

また、日本滞在日記に戻ります。

現在母は84歳で、約1年半前にケアハウスに入居した。

それまでは、一人暮らしで、自分で献立を考え、買い物に行き、毎日
食事の支度をしていた。 今はまったくその必要が無くなってしまった。

年寄りは急な環境の変化についていけないと聞いていたが、久しぶりに会った母は、
本当に年老いてしまった。

80歳のときには、私に会いに一人でイギリスに来た。
2年前に帰国したときは、「山の上に良い景色が見られる神社がある」と、ゆっくりではあったが、私と一緒にかなり長い坂道も歩いた。

この一年半の間に、腰も背も曲がり、歩き方もかなり遅く、ぎこちなくなってしまった。
それに何度も同じことを言ったり、聞いたりする。
「それ、もうさっき聞いた。」「やーだ、さっき、言ったじゃない。」
いけないと思いつつ、つい言ってしまう私。

「そういうふうに、絶対言ってはいけないのよ。常に、始めて聞いたふりをするの。」

以前老人福祉の仕事にもたずさわっていた、淳子さんにそう言われ、(私って、なんて
いやなやつなの、、、) ちょっと自己嫌悪に落ちいった。 

淳子さんに浅草商店街に連れていってもらった。
どこのお店が安いか良く知っている。
なるほど、同じものでも、あのお店とこのお店とでは値段が違う。

自由が丘で、母に似合いそうな洋服を見た。けっきょく買わなかったが、あの時見た
洋服が、2000円も安く売っていた。

「これ○○円にして。」と交渉してくれる淳子さん。
「それはいくらなんでも無理ですよ、、、う~ん、なら○○円にします。」 やった!

さっそく母に電話をし、「お母さんに、似合いそうな洋服買ったから、楽しみに
待っていてね。」

母の声は、とても嬉しそうだった。

ごめんね、お母さん、、、。
by maribabalondon | 2009-01-22 03:41 | 日本
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